大島弓子『夏のおわりのト短調』から巡る、ト短調音楽
夏が終わるこの季節は、大島弓子の漫画『夏のおわりのト短調』を読み返したくなります。
夏の間、叔母の家で過ごすことになった少女の物語なのですが、繊細で、滑稽で、読み終わった後は何とも切なくなるお話です。
ふと、そういえばト短調ってどんな音楽なのだろう・・・?と疑問に思ったので、調べてみました。
■ト短調の定義
ト短調(とたんちょう)は、西洋音楽における調のひとつで、ト (G) 音を主音とする短調である。(wikipediaより引用)
ト短調の特徴を調べてみると、静かで憂いがあって、ロマン的、とのこと。
確かに、夏の終わりにぴったり。
■ト短調の曲~クラシック編~
Bach, Minuet in G minor, BWV 842, Piano
ドイツの作曲家、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)の作品。
「バッハ ト短調」で検索すると、オルガンの「小フーガ」が出てくるのだけど、夏の終わりっぽいのはこっちかなあ。
Mozart Symphony #40 in G Minor, K 550 - 1. Molto Allegro
オーストリアの作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)の作品。
モーツアルトって、脳に直撃するというか、否応なしに惹き込む力がある気がします。滝に打たれたみたいな気分。
♪ベートーヴェン『ピアノソナタ第19番 ト短調 作品49-1』
Brendel plays Beethoven Piano Sonata No.19, Op.49 No.1
ドイツの作曲家、ベートーヴェン(1770-1827)の作品。
ピアノ初級者の練習曲として書かれたそう。
激しさや抑揚があまり無い、静かで悲しげな曲・・・
♪フォーレ 「シシリエンヌ」
Pahud plays Gabriel Fauré Sicilienne Op78
フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)の作品。
もともとは『青い鳥』で有名なメーテルリンクの悲劇、『ペレアスとメリザンド』の中の一曲だそう。
美しい・・・。ハープとフルートって、何ていい組み合わせなんだろう・・・
♪チャイコフスキー『四季』より6月「舟唄」
Richter plays Tchaikovsky The Seasons, June
ロシアの作曲家、ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)の作品。
ロシアの1年を表現したピアノ作品集『四季』の6月の曲。
ロシアの6月はこんなに寂しげなんですか!っていう位、悲しいメロディー・・・
■ト短調の曲~ロック・ポップス編~
宇多田ヒカルの2002年の作品。
宇多田ヒカルの楽曲ってどれも、ヒリヒリとした「切なさ」が充満している・・・
♪Avril Lavigne / Everybody Hurts
Avril Lavigne - Everybody Hurts
カナダ出身のシンガーソングライター、アヴリル・ラヴィーン2011年作『Goodbye Lullaby』より。
♪Adele「I Miss You」
ロンドン生まれのシンガー、アデルの2015年作『25』より。
♪Sam Smith『Like I Can』
英ロンドン出身のシンガーソングライター、サム・スミスの2014年作『In The Lonely Hour』より。
アデルと何かメロディーラインが似てる気が。やっぱりおんなじ調なのですね。
■ト短調の曲~クラシック・ロック編~
♪Santana「Evil Ways」
Santana - Evil Ways 1969 "Woodstock" Live Video Sound HQ
米サンフランシスコのラテン・ロック・バンド、サンタナ1969年作『Santana』より。
あんまし夏の終わりっぽくない・・・むしろ真夏な感じ。
だけどこの、上昇というよりはちょっと下降していくメロディーの感じがト短調なのでしょうか。
♪Doobie Brothers 「Long Train Running」
The Doobie Brothers - Long Train Running (official video)
米カリフォルニアのロック・バンド、ドゥービー・ブラザーズの1973年作『The Captain And Me』より。
♪The Police 「Roxanne」
英ロンドンのロック・バンド、ポリスの1978年作『Outlandos D'Amour』より。
娼婦についての歌だとか。
■ト短調の曲~デヴィッド・ボウイ編~
最後に、8月31日は大島弓子の誕生日なので、デヴィッド・ボウイの曲を。
♪David Bowie「Life On Mars?」
David Bowie – Life On Mars? [OFFICIAL VIDEO]
英ロンドン出身、デヴィッド・ボウイの1971年作『Hunky Dory』より。
■思ったこと
ト短調って、やっぱりどこか物悲しい、切ない響きがある。
個人的には、夏の終わりにぴったりなト短調は、フォーレ「シシリエンヌ」でした。
※去年別のところで書いてたブログの転載です