読書会の記録(18.7~19.12)

埼玉県大里郡寄居町で開催した読書会の記録です。

お知らせ

このたび、主催者である私が他県に転居したため、読書会を参加者の方に引き継がせていただきました。

 

読書会を始めたのがちょうど2年前の7月。

色々な方と本の話をして、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

新しい作家や作品との素敵な出会いもありました。

また、会を続けるなかで、自分の力の足りなさも沢山感じました。

 

これまで開催することが出来たのは、参加してくださる方、協力くださった方がいたからです。

ありがとうございました。

ディケンズ『クリスマス・キャロル』読書会、開催終了いたしました。

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4名の方にお集まりいただきました。

寒い中、ありがとうございます!

下記、皆様の感想です。

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M.K
ディケンズの他の作品も読みたいと思いました。心暖まる作品でした。

N
まわりの人に親切にし、思いやりの心を持って生きていれば、自分も幸せになる。幸せになるにはそれしかないのだ、と思わされました。

S
亡霊になって現れ改心するチャンスを与えた友人マーレイ、おい、スクルージは周りの人に恵まれていたと思う。

人に手を差し伸べることのすばらしさを知ることができたスクルージ、これからたくさん手を差し伸べてほしい。

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皆様、子供の頃に読んだり、映画で見たりして馴染みのあった作品だったようです。

あらためて読んでみると、スクルージの心の動き、甥の優しさ、マーレイの優しさなど、気付かされることが多い作品でした。


また、今回は皆様の「今年のベスト本」をご紹介いただきました。

下記、紹介していただいた本です。

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嶽本野ばら『純潔』

・長尾 和宏『平成臨終図巻』

・大島 弓子『キャットニップ (3)』

小野不由美十二国記

吉野源三郎君たちはどう生きるか

川上未映子『夏物語』

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※お知らせ※

今後の開催は、誠に勝手ながらお休みをさせていただきます。

私佐藤の身辺がすこし忙しくなり、会をする余裕が無くなってしまったためです。

楽しみにしてくださっている方がいらっしゃったら、本当に申し訳なく思っております。

いつも来てくださっていた方、本当にありがとうございます。心から感謝しております。

開催の予定が決まりましたら、メールを差し上げます。

こちらのブログにも掲載いたします。

どうかよろしくお願いいたします。

寄居読書会第18回:12月8日(日)ディケンズ『クリスマス・キャロル』

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12月の開催情報です。

 

【概要】

期日:12月8日(日)14時~16時

課題本:ディケンズクリスマス・キャロル』(村岡花子訳)

場所:着物リメイク、洋服リフォーム工房兼ショップ「アトリエ・リカ」
〒369-1203 埼玉県大里郡寄居町寄居973-1

募集人数:7名程度

参加費:部屋代/お茶菓子代400円
(大変心苦しいのですが、値上げいたしました。ご了承くださいませ。)


【申込方法】

■ ictsiagc.tmiasb@gmail.com までメールを下さい。

 

■ 口頭でも大丈夫です。

 

【当日の流れ(予定)】

①自己紹介

②順番に感想を言う

③フリートーク

④「私の今年のベスト本」紹介

⑤フリートーク

 

【準備してきて頂きたいこと】

ディケンズクリスマス・キャロル』(村岡花子訳)をご用意ください。

■ 課題本を読み、感想や他の人と話したいことを何となくで良いので考えてきてください。

■「私の今年のベスト本」というテーマで、本を紹介していただきます。
2019年に読んだ本のなかで、最も印象に残った作品をご紹介ください。
小説/漫画/写真集/絵本など、何でも大丈夫です。
本が難しければ音楽/映画でもOKです。

 

※何か質問があれば遠慮なくお問い合わせください。

 

芥川龍之介「秋」読書会、開催終了いたしました。

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芥川龍之介「秋」読書会、開催終了いたしました。

4名の方にお集まりいただきました。

いつも来てくださって、ありがとうございます!!

今回から、「ネコオドル」Sさんのご紹介により、「アトリエ・リカ」さんのお部屋をお借りして開催することとなりました。

とても素敵な場所で、嬉しく、ありがたい限りです!

この場を借りてお礼申し上げます。

1、芥川龍之介「秋」

さて、今回の課題本は芥川龍之介「秋」。

これまで読んだことが無く、秋、というだけで選んだので若干不安だったのですが、予想以上に読みごたえある小説でした。

下記、皆様の感想です。
(一名用事のため途中で帰られたので、感想掲載可能な2名です)

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N
信子は文学少女なので、好きな人を妹にゆずるのが人として正しい理想の姿、だと思ってそうしたのだろうか?

最後、俊吉に声をかけずにすれちがった彼女は、「ああ、もう取り返しがつかない、取り返しがつかない」と心の中で繰り返していたのではないでしょうか。

S
妹の幸せのために自分の気持ちをおし殺した信子。
でも、信子も妹も幸せになれたのか、と思うと切ない。

恋愛は、自分の気持ちに素直になることが一番かも。
結果として涙するとしても、後に引きずらないことが大事。

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会の中では、下記のような話が出ました。

・「結婚」とは?

・信子は何のために身を引いたのか?

・俊吉はどんな気持ちだったのか

・誰も幸せになっていないのでは?

・自己犠牲=美しいと思っているのでは?

・「取り返しがつかない」という焦燥感、寂しさ

・姉が妹の結婚式に出ないなんて…

・当時と今の「幸せ」の違い

等々。


信子と照子、俊吉の、それぞれ噛み合わなくなってしまった人生が、美しい秋の情景とともに描かれて、切なく胸に迫ってくる作品でした。

 

2、「秋」をテーマに作品のご紹介

また、皆様に「秋」をテーマに作品をご紹介いただきました。

下記、ご紹介の本/音楽です。

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■ジョン・ミナハン『ジェレミー

■阿部智里『発現』

山口百恵秋桜

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今回初めて本の紹介を取り入れたのですが、知らない本のお話を聴くのはとても面白いですね。

本を読んで感じる「秋」…参加者のとても個人的な読書体験を、きっとほんの一部分なのでしょうが、こちらもしみじみと味わうことが出来ました。

 

さて、次回は12月8日(日)、ディケンズクリスマス・キャロル』です。

楽しみです。

新美南吉『ごんぎつね』読書会、開催終了いたしました。

 

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新美南吉『ごんぎつね』読書会、開催終了いたしました。

参加者の方々、お集まりいただき、ありがとうございます!

下記、みなさまの感想です。


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M.M
兵十とごんぎつね、ひなびた貧しい生活の中
草花の描写も豊かな中、
短くもあったがほのぼのとした読後感が残った。
他に「百姓の足、坊さんの足」「屁」がおもしろかった。


M.S
ごんの悲しみ、兵十の悲しみ、新美南吉の悲しみ…
生きることの根底には「悲しみ」があるのかもしれない…


N

ひとりぼっちの兵十とひとりぼっちのごんは、きっと良い友だちになれたのに…
最後、兵十の問いかけにぐったりと目をつぶったままうなずいたごんの姿が子どもの頃も、今も私の心に悲しく残ります。


O
悲しいお話の中にどこかほのぼのしたモノを感じる
それは出てくる季節の花のせいかごんの愛嬌あふれる人間味?からか
でも最後に兵十とはじめて気持ちが分かり合えたことは、ごんはきっと不幸なだけではないと思いました。

兵十「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。

兵十のこの言葉を ごんは聞けたことが…。


S
南吉の言葉
「尽くしても尽くしても理解してもらえないことがある」…
ごんと兵十は、最後の最後、理解しあえたのだと思う。
小学生の頃の記憶のまま。
かわいそうなお話でした。

 


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動物好きの方が多い中、今回の課題本は少々辛いものがあったかもしれません。
子供が読んでも、大人が読んでも、いやはや、本当に悲しいお話です。

新美南吉の生涯と詩も、じっくりと読んでいきました。
30年足らずの短すぎる人生のなかで、実に色んなことがあったのですね…

 

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下記、個人的な感想になりますが…

土屋文明記念文学館での遠山光嗣さんの講演で、印象に残ったことがありました。

新美南吉は、「悲」を「愛」に昇華させた、という言葉で。

「かなしみ」には「悲」「哀」「愛」と3つあり、新美南吉がとらえていたのは具体的な「悲しみ」よりもっと深いところにある「愛しみ」だった、ということです。


資料をそのまま引用させていただきます…

「よのつねの喜びかなしみのかなたに、ひとしれぬ美しいもののあるを知っているかなしみ。そのかなしみを生涯うたいつづけた。」

新美南吉28歳の時の日記)

 

新美南吉の見ていた「かなしみ」、「ごんぎつね」にもきっと色濃く描かれているのだと思います。

 

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帰りがけに、図書館入口に「寄居読書会」の案内板を掲げてくださっているのを発見しました!
看板の足元には黒井健の「ごんぎつね」も…!何と嬉しいことでしょうか。
寄居町立図書館のスタッフの方、ありがとうございます!!

 

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さて次は芥川龍之介「秋」。
新たな試みとして、皆様に「秋」にちなんで作品を紹介していただきます。
そして「アトリエ・リカ」様での新しいスタートとなります!
とても、楽しみです!

今後の読書会の予定

今後の読書会の予定です。

 

■11月・・・お休みです

 

■12月

日時:12月8日(日)14時~16時

課題本:未定 ※リクエストありましたらぜひ

場所:着物リメイク、洋服リフォーム工房兼ショップ「アトリエ・リカ」
〒369-1203 埼玉県大里郡寄居町寄居973-1

 

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寄居某所の看板より。

バイキンマンが歯でラッパを吹いているように見えるのですが、

彼の口元にあるのは、歯ではないのでしょうか…?

寄居読書会第16回:9月29日(日)新美南吉『ごんぎつね』

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9月は、新美南吉『ごんぎつね』を読んでいきます。

子供の頃に読んだ方も多いのではないでしょうか?

みなさまの感想がとても楽しみです。

 

「東の宮沢賢治、西の新美南吉」と呼ばれる児童文学作家、新美南吉

今回は、新美南吉の詩も鑑賞していきます!

 

※7月13日(土)~9月23日(月・祝)まで、群馬県土屋文明記念文学館で『ごんぎつね』の企画展をやっているようです。
ご興味のある方、ぜひ。

bungaku.pref.gunma.jp


【概要】

期日:9月29日(日)14時~16時

新美南吉『ごんぎつね』

場所:寄居町立図書館2階アトリエ
〒 369 1203 埼玉県大里郡寄居町大字寄居1296-1

募集人数:7名程度

参加費:お茶菓子代200円

 

【申込方法】

ictsiagc.tmiasb@gmail.com までメールを下さい。

HPの「申込・問合せ」フォームからも申し込みできます↓

https://yorii-dokushokai.jimdofree.com/

 

 

【当日の流れ(予定)】

①自己紹介

②順番に感想を言う

③『ごんぎつね』朗読

④フリートーク

新美南吉の生涯について

新美南吉の詩を鑑賞

 

【準備してきて頂きたいこと】

新美南吉『ごんぎつね』をご用意ください。形態は問いません。

・課題本を読んできてください。

・読んで疑問に思ったこと・他の参加者と話したいことを、何となくでいいので考えてきて下さい。