芥川龍之介「秋」読書会、開催終了いたしました。
芥川龍之介「秋」読書会、開催終了いたしました。
4名の方にお集まりいただきました。
いつも来てくださって、ありがとうございます!!
今回から、「ネコオドル」Sさんのご紹介により、「アトリエ・リカ」さんのお部屋をお借りして開催することとなりました。
とても素敵な場所で、嬉しく、ありがたい限りです!
この場を借りてお礼申し上げます。
1、芥川龍之介「秋」
さて、今回の課題本は芥川龍之介「秋」。
これまで読んだことが無く、秋、というだけで選んだので若干不安だったのですが、予想以上に読みごたえある小説でした。
下記、皆様の感想です。
(一名用事のため途中で帰られたので、感想掲載可能な2名です)
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N
信子は文学少女なので、好きな人を妹にゆずるのが人として正しい理想の姿、だと思ってそうしたのだろうか?
最後、俊吉に声をかけずにすれちがった彼女は、「ああ、もう取り返しがつかない、取り返しがつかない」と心の中で繰り返していたのではないでしょうか。
S
妹の幸せのために自分の気持ちをおし殺した信子。
でも、信子も妹も幸せになれたのか、と思うと切ない。
恋愛は、自分の気持ちに素直になることが一番かも。
結果として涙するとしても、後に引きずらないことが大事。
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会の中では、下記のような話が出ました。
・「結婚」とは?
・信子は何のために身を引いたのか?
・俊吉はどんな気持ちだったのか
・誰も幸せになっていないのでは?
・自己犠牲=美しいと思っているのでは?
・「取り返しがつかない」という焦燥感、寂しさ
・姉が妹の結婚式に出ないなんて…
・当時と今の「幸せ」の違い
等々。
信子と照子、俊吉の、それぞれ噛み合わなくなってしまった人生が、美しい秋の情景とともに描かれて、切なく胸に迫ってくる作品でした。
2、「秋」をテーマに作品のご紹介
また、皆様に「秋」をテーマに作品をご紹介いただきました。
下記、ご紹介の本/音楽です。
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■ジョン・ミナハン『ジェレミー』
■阿部智里『発現』
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今回初めて本の紹介を取り入れたのですが、知らない本のお話を聴くのはとても面白いですね。
本を読んで感じる「秋」…参加者のとても個人的な読書体験を、きっとほんの一部分なのでしょうが、こちらもしみじみと味わうことが出来ました。
さて、次回は12月8日(日)、ディケンズ『クリスマス・キャロル』です。
楽しみです。