読書会の記録(18.7~19.12)

埼玉県大里郡寄居町で開催した読書会の記録です。

第7回読書会 太宰治『富嶽百景』無事終了いたしました。

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第7回読書会 太宰治富嶽百景』無事終了いたしました。

5名の方にお集まりいただきました。

 

■作品について

富嶽百景』は1939年に発表された作品。
荒れた生活を送っていた太宰治が、師匠井伏鱒二の勧めで山梨県の御坂峠にある天下茶屋を訪れ、富士について思いを巡らす作品です。

「笑ってしまった」「可笑しい」といった声があり、太宰治のひょうきんな魅力が良く出ている作品だなと感じました。

 「浮き足立っている」「ふわふわしている」との感想もあり、井伏鱒二にお世話になったお見合いと、そこから始まる新しい人生のために少し浮かれている様子が表れた明るい作風となっているようです。

 

太宰治を漢字で表すと?

今回、参加者の皆様に太宰治を漢字一文字で書いていただきました。

「滅」
「甘」
「面」
「散」
「激」
「懐」

そうきたか!という文字もあり面白いです。
画数の振れ幅が大きいのが太宰治らしいです。


■皆様の感想

会の最後に、感想を一言で記入していただきました。

H.S
(意外と)ユーモアのある太宰の人柄が伝わる作品だと思った。
美知子の母に「孝行しよう」と思った気持ちを忘れずに生きて欲しかった。。。

M.K
ユーモアのある作品で清やか。
ちゃんと富士山を見てみようと思いました。

M.M
富士山の様々な描写、気持ちを入れた描写も面白く、現れる人物描写も面白かった。

M.S
情けなくて繊細で、魅力的な人だったんだろうなあ・・・

N
晩年や人間失格を書き、破滅的な人生を送り、最後には自ら死を選んでしまった彼ですが、富嶽百景ではお茶目な面をたくさん見せてくれて可愛らしかったです。

Y.S
先生
苦悩を感じたい?
ーーーーーーーーー
富士
「単一表現」
ほていさまの置物
茶店の娘さん

 


■雑感

太宰治に対して、皆様それぞれこれまでの人生で何かしら思うところがあったようです。その辺を最初に質問しても良かったかなと思いました。またいつか太宰治を取り上げる時にお聞きしたいです。

 

・お正月に太宰治の作品を色々読み返していたのですが、短編小説「佐渡」に大笑いしてしまいました。

新潟高校に公演に赴いた際、思いつきで佐渡ヶ島に旅行する話なのですが、
フェリーから見える島の正体が分からなくて、でも恥ずかしくて人に聞けなくて右往左往したり、生徒に笑われている気がして「袴を脱ぎ捨てて海に投じたくなった」り。想像(妄想)が一人歩きしている様が非常におかしかったです。

 

太宰治芥川龍之介のポーズを真似ています

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図書館で借りた本にはもっとバリエーションがあったのですが、うっかりお見せするのを忘れてしまいました。

クラスにいる、ちょっと面倒くさそうな生徒という感じが良く出ていると思います。

 

さて次回はヘルマン・ヘッセ車輪の下』です。

楽しみです。