読書会の記録(18.7~19.12)

埼玉県大里郡寄居町で開催した読書会の記録です。

向田邦子『思い出トランプ』読書会、無事終了いたしました。

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かわうそ

 

向田邦子『思い出トランプ』読書会を開催しました。

5名の方にお集まりいただきました。ありがとうございます!

下記、皆様の感想です。

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M.K
昭和の家族、時代を感じました。
短い文章の中に濃い人間模様が描かれていて、巧いなと感服しました。
若干ホラー。


M.M
向田さんのこの小説、ほぼ私の少年時代である。家族が固くあり、また、貧しい時代であったが、夢もある「三丁目の夕日」時代である。
反面、人間の本能のままの、規制の無いなんでもありの、スキャンダラスな時代でもあった。
「思い出トランプ」は、その日常描写が面白く、想像もたくましくしてくれた。

 

M.S
家族や夫婦のリアルな秘密を沢山垣間見てハラハラしました。
他人どうしが家族になるんだなあ…と実感。

 

N
人は皆、心の中にだれにも言えない秘密を持っているのかな、と思いました。
男女関係の描写が、激しさを感じない分、どこかもの哀しい感じがしました。

 

S
隣の家の秘密をぬすみ見てしまったような感覚。
昭和を感じた。奔放で、だけどどこか息苦しい。

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今回の課題本は、参加者の方のリクエストでした。

向田邦子が飛行機事故で亡くなる直前の短編集で、家族や夫婦を題材にしています。

結構えぐいエピソードもあって、どんな感想が出てくるのかな…と期待と不安があったのですが、皆様それぞれに響くところがあったようで、お話を聞くのがとても楽しかったです。

 

あがった話題は、

・夫婦間で、みなまで言わず、心に秘めておく感じは今の時代とは違う。
・秘密めいたものを持っている美しさ
・お妾さんが当たり前にいた時代…男の勲章!?女性の経済状況もあってのこと
・女の人の動物/生物としての強さ
コンプライアンス的にアウトな内容
向田邦子ホームドラマのイメージだったが、「思い出トランプ」は裏の部分、陰のある感じ
・「かわうそ」の厚子が怖い…

 

などでした。

 

今回はまちタネ!内の「ネコオドル」様での最終開催となりました。

会場を快く貸して下さった店主さま、ありがとうございます!!

「ネコオドル」は、また新たな場所で始められるそうです。


次回は8/25(日)14時~ ヘミングウェイ老人と海』です。

会場は近日決定予定です。

すでにお申込みをいただいている参加者の方には、会場決定次第、私からメールをいたします。